山崎元さんの記事「そこそこの会社で正社員はやめたほうがいい」という記事を拝読しました。
記事の概要
近年、AIの発達と資本主義論が交錯し、従来の働き方やビジネスモデルに疑問符がつく中、ビジネスパーソンは新しい戦略を模索せざるを得ません。本記事では、「そこそこの会社で正社員」をやめ、AI資本主義時代における成功法を考えます。AIの進化により、ビジネス環境が大きく変わる中、未来志向のビジネスパーソンが狙うべきコースについて検証します。
AIの進化と資本主義の未来
AIの進化は不可避であり、その影響は資本主義にも及ぶでしょう。しかし、筆者はAIが人間の能力を拡張するだけであり、資本主義の本質が変わらないと考えていました。しかし、AIが進化し「ビビらない」特性を持つことが問題となる可能性が浮上しました。リスク回避的な労働者や運用者が適切なリスクを取ることなく働くことで、経済循環が崩れる可能性が指摘されています。
AIの弱点とビジネスの未来
AIはまだ完璧ではなく、人間にはない能力を持ちながらも、弱点も抱えています。この「シンギュラリティ」が訪れる中、ビジネスパーソンが注目すべきは、AIが「ビビらない」こと。つまり、リーダーシップやリスクテイクの要素がAIには欠如しており、これを活かしたビジネス戦略が求められます。
会社とは何か?
「会社は誰のものか?」という問いに対して、従来の考え方は時代遅れだと主張します。会社は利用し合う人の集まりであり、「利益」は会社の存続条件であり手段であると述べます。真の目的は、誰にどのようなメリットを提供するかに焦点を当て、事業立地の選択こそが経営戦略の本質であると説きます。
経済力の格差とビジネス戦略
経済力の格差は、リスクテイクやリーダーシップによって生じると論じられています。資本家や投資家はリスクを取り、その対価として利益を得る一方で、リーダーシップによっても経済力が形成されます。これにより、経済の中で特定の個人や組織が圧倒的な経済力を持つことが示唆されています。
未来志向のビジネスパーソンの戦略
未来を切り拓くビジネスパーソンには、新たな戦略が求められます。AI資本主義時代においては、従来の「そこそこの会社で正社員」の枠を超え、以下の戦略を模索すべきです。
1. 自己起業と株式性のリターン
- 自らの人的資本をリスクにさらし、起業や初期の起業に参加する。
- ストックオプションを条件として働くことで、株式性のリターンを追求する。
2. 投資を通じたリスクテイク
- 金融資産を活かし、投資によってリスクを取りながら経済参加する。
- 狙い筋Aと狙い筋Bを併用し、合理的なリスク分散を図る。
3. リーダーシップの発揮
- リーダーシップを発揮し、人の集まりをコントロールすることで、経済的な価値を集める。
- 組織やプロジェクトの中でのリーダーシップの発揮を重視する。
これらの戦略を駆使し、適切なリスクを取りながら効率的に経済力を構築することが、AI資本主義時代におけるビジネスパーソンの成功への鍵となります。未来の経済環境に適応し、挑戦的な姿勢を持ってビジネスを展開することが、将来の繁栄につながるでしょう。
キャリアデザインの観点から
特に以下の一文をズバリと言い切っているところ、実は自分も日頃から感じている点です。
「リスクを回避したがる者が提供する価値を、リスクを取ってもいいと思う者が吸い上げるのが経済循環の仕組みであり、私有財産たる資本にリスク・テイクの対価を帰属させ、これに株式投資を通じて参加することができるのが、現在の資本主義の仕組みだ。」
資本主義の仕組みは会社の仕組みの前提となるものですので、会社で働く誰もが影響を受けるものだと思っています。
この資本主義の仕組みを理解した上で、自分だったらどのようにアプローチしていくかをよくよく考える必要があると思っています。
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