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新NISAで分配金を手に入れることを推奨する記事について

「新NISAでは分配金が非課税になるけど毎月分配型は買えない! 定期的に分配金を受け取りたいなら「隔月分配型」や「四半期分配型」が狙い目!」という記事を拝読しました。

diamond.jp

記事の概要

最近の新NISAでは、分配金が非課税となり、多くの人が「非課税で分配金を手に入れたい!」と考えています。しかし、新NISAでは毎月分配型は購入できません。そこで、隔月分配型や四半期分配型などの投資信託を利用することで、定期的に分配金を得る方法が注目されています。本記事では、ザイの『一番売れてる月刊マネー誌ザイが作った新NISA入門』からの抜粋をもとに、分配型の投資信託を購入する際のポイントや、隔月分配型と四半期分配型の活用法について解説するとして、以下の記載がありました。

  1. 分配金を手に入れるための投資信託選び: 新NISAの対象商品には「毎月分配型」の投資信託が含まれていませんが、代わりに成長投資枠では年1~2回、または隔月や四半期ごとに分配金が出る投資信託を選ぶことができます。これにより、分配金を非課税で受け取ることが可能となります。高齢世代から現役世代まで、定期的な利益を受け取りながら資産形成を進めたい人にとって魅力的な選択肢との事。

  2. 本当の利回りを確認して投資: 分配型の投資信託を選ぶ際には、注意が必要です。高い分配金を受け取ることができても、基準価額が下がってしまうと実質的な収益は減少します。「本当の利回り」は、基準価額の変動を考慮した指標であり、これを確認することで実際の利益を正確に把握できます。マイナスの利回りが続く投資信託は避け、安定的な分配金が出ているかを確認してから投資を検討すべきとの事。

  3. 隔月分配型の活用法: 2023年に最も買われた投資信託の中には、人気の毎月分配型に加え、新たに隔月分配型を設定したものもあります。隔月分配型は成長投資枠で取引可能であり、安定的な分配金を受け取りたい人に適しています。投資する前に実績を確認し、分配金の再投資の基準価額も考慮して検討するべきとの事。

  4. 四半期分配型の活用法: 四半期ごとに分配を出す投資信託も利用価値があります。異なる商品を組み合わせて購入することで、実質的に毎月分配金を受け取ることが可能です。また、年金が出る月に合わせて投資信託を購入することで、毎月の収入を安定させることもできるとの事。

ファイナンシャルデザインの観点から

正直この記事を読んで相当の違和感を感じました。理由は以下の2点です。

  1. そもそも新NISAが定期的に分配する投資信託を除いている理由を考察する必要がある。具体的には、複利の効果をなくしてしまう為長期投資のスタンスには向いていないと為と考えています。

  2. この記事で、「2023年に最も買われた投資信託で、1年の本当の利回りが20%超(23年12月末時点)の人気毎月分配型「世界のベスト(インベスコ世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型))」」を紹介していましたが、この投資信託の手数料は1.903%との事。インデックス投資の手数料は0.1%レベルですので非常に高いと言わざるを得ません。

    www.rakuten-sec.co.jp

    更に補足すれば、記事では1年の本当の利回りが20%超としていますが、2023年度は株価が好調だった年ですので、この1年を切り取れば殆どの投資信託が好成績だったものです。ついては、手数料が低い投信の方が魅力があります。例えばeMaxis slim全世界の場合は2023年1年間では+29%となっていました。また手数料は0.05775%です。www.rakuten-sec.co.jp

金融リテラシーを向上させることは非常に重要と思いますが、こういう記事ばかりを読んでいると金融機関の思惑にどっぷりハマる可能性が高くなります。誰がどういうスタンスで書いているのかも含めて注意深く読み進む姿勢が必要と感じました。

 

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