資産運用に関して一番お勧めの本はどれかと問われれば、何冊か頭に思い浮かぶのですが、日々の基礎動作に影響を与えたという観点ではこの本を推奨させてもらいたいと思います。私は、この本を読んで毎日お金の支出を細かく見直すようになりましたので。
この本の目次
- STEP 1 : 過去に折り合いをつける
- STEP 2 : 現状把握ー生命エネルギーの使い道を調べる
- STEP 3 : 毎月の支出表をつくる
- STEP 4 : あなたの人生を根本から変える3つの質問
- STEP 5 : 生命エネルギーを可視化する
- STEP 6 : 生命エネルギーを大切にするー支出の最小化
- STEP 7 : 生命エネルギーを大切にするー収入の最大化
- STEP 8 : 資本とクロスオーバーポイント
- STEP 9 : 経済的自立を達成した後の投資
この本から学んだこと
- 定年まで働き続けるのが普通の時代(1992年の初版)に経済的自立という概念を普及させた良本。更に経済的自立のその先の人生を描くことを教えてくれます。
- お金を得るために労働者は生命エネルギーを差し出しているのだけど、本来はその生命エネルギーが最も貴重であることを教えてくれます。ちなみにここでいう生命エネルギーとは自分の時間であり人生のことです。「いつまでお金を得るために自分の人生を捧げるのか」これがこの本のコア・メッセージであり、それでこのタイトルになっています。
即ち、自分の人生にとって必要なお金は幾ら位でそれ以上は必要ない、お金より時間の方が貴重だと言える状態にいつなるのかを考えよ、というメッセージになっています。 - また、お金を稼ぐ生産者側だけではなく、お金を使う消費者側での観点からのメッセージも含まれています。昔、市民は英語では「Citizen」と言われていたが最近では「Consumer」に変わったとの指摘でして、即ち、労働時間が減れば余暇を楽しむ時間だった昔から、現在は余暇はくつろぐ時間から消費する時間に変わったのだと。
これは非常に重要なメッセージだと思います。仕事以外は自由で創造的な時間だと思いがちですが、実はそれもTVやSNS等の広告・マーケティングが「消費者にいかにお金を使わせるか」という観点で組み立てられていることに気づけるかどうか。この本では「人は働くことで墓場を建てている」と表現されています。必要以上にお金を使う生活にさせられることで、もっと稼がないとと思わされているとの指摘です。 - 経済的自立を達成するには本当に必要な金額が幾らなのかを見通すと共に、どのようにその金額を確保するかを考える必要があります。
具体的には労働収入によって得たお金を投資に回して、徐々に収入の獲得方法を労働から投資にシフトしていくということが必要になりますが、その経済的自立とその先の人生を描くということをSTEP BY STEPで教えてくれます。この順序で取り組めば良いということを明確にイメージ出来る(目次ご参照)。経済的自立が描けてこそ、その先の人生を自由に描きやすいという事を教えてくれる。この順序に従わなくても自由な人生を生きることは可能かもしれないが、大きなリスクを伴うと思うので、この順序の方が堅実的で現実的であると思うところもあります。 - 何より給料の金額の大小よりも貯蓄率の高低の方が経済的自立に影響を与えるというメッセージは大変心強いです。
何度も読み直すことで、「労働者から資本家へのトランスフォーメーションを実現する」具体的な道筋を頭の中にイメージ出来てきた記憶が蘇ります。
自分にとっては「サラリーマンという立場がいかに操作された立場なのかを思い出させてくれると共に、いつまでもサラリーマンでいる訳じゃないぞ」と気合を入れてもくれる、傍に置いていたいと思わせてくれる教科書です。
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